AI検討解説Part3 河合将史先生と解説!前編【高段者向け】
こんにちは!ひかるです。
プロ棋士監修のAI検討解説コーナーPart3です!
今回はPart2までの棋譜を全体を通して高段者向けに書いていきたいと思います。
このAI検討解説コーナーの監修をお願いしている河合将史先生と一緒に解説・考察していきます。
※このコーナーで用いている評価値や解説についての注意点を以下の記事にまとめています。本記事をご覧になる前に一度目を通してください
目次
檀嘯九段 対 柯潔九段
Part1、Part2に続きこちらの棋譜を使います。
この棋譜を使うのはここまでになります。
黒 檀嘯 九段
白 柯潔 九段
152手 白番中押し勝ち
黒番から見た評価値の推移
縦軸=勝率
横軸=その局面の着手数
今回は高段者向けということで高度な部分を考えていきたいと思います。
河合先生よろしくおねがいします!
よろしくおねがいします。
キリ?それともアテ?三々定石の選択
まずはこちらの場面から考えてみたいと思います。黒番です。
AIの打ちはじめた右下の形も定石として定着してきましたね。
こちらはAが実戦ですが、部分的にはBで戦いを仕掛ける手も打たれていますね。
この場合どのように使い分けるのでしょうか?
この場合Bに打つと以下のように△が白の援軍になっていて白は戦いやすくなってるね。となると黒としてはAが望ましいね。
周りの状況次第で選択していく感じですね。
模様の拡大方法をどう考える?
続いてはこちらの場面です。
詳しい解説はPart2で取り上げたのでこちらでは簡潔に。
絶芸が示すBからの模様の広げ方は非常に参考になりますね。
とはいえAも捨てがたいですが…。
Aは武宮先生(九段)がこういう手を打つことがあるね。
どちらも好点だけど、Aは現実的で囲うことで地になりやすくなる。Bは左上に響かせながら模様を広げていく発想だね。
Aのようにダイレクトに囲う手は昔からあったんですか?
最近でこそ、模様をダイレクトに囲うような手もプロの碁でもよく打たれているけど、AIが出るずっと前は俗なイメージでね…
ゆえにあまり打たれてなかったんだけど、唯一武宮先生だけは堂々と打たれていた記憶があり、最近あらためてさすがだなと思いました。
なるほど~。碁はどんどん進化していますね。
これからどんな打ち方が開発されるのかも楽しみですね!
攻めるべきか守るべきか冷静な判断に学ぶ
先程の図で絶芸の示す続きを見ていきましょう!
※Aが絶芸が示す後続手
僕はノータイムでボウシ(B)しそうだなぁ。
僕もです。なんだか黒が深く入り込んでる気がして…
白は勢い3~のようになりそうだけど、このようになってみると…
白は利益になってるか怪しいね。
以下のように黒△や左辺側の黒がいるから白が地としてまとめるのはむずかしそうです。
攻めた白周辺は薄みも残っていますし、AIの示す受けが妥当のようですね。
非常に冷静な判断が勉強になるね。
ですね!
美しい!綺麗な打ち方でとても参考になるケシ方
先程の図の続きで白番です。
白が冷静に受けたあとの黒のうち回しも見事ですね。
先生、ここの黒の手順はとても参考になりますね!
そうだね。
以下の2に対して受けるわけにはいかない(Part2参照)から3の反撃は当然として…
4と様子を見て5と利いてくれたあとの6は見事だね。
白は1、5と利かされている感じだからこれ以上AやBのように利かされたくはない印象を受けます。
というわけで以下の7と戦線を拡大するわけですね。
利かされすぎないための工夫と言えそうですね。
後編へ続きます!
囲碁AIの研究がみなさんの参考になることを願っています!
※この記事は日本棋院所属棋士の河合将史五段の監修のもと制作しています。
人気ブログランキング投票
(クリックで投票します。よろしくお願いします!)
囲碁ランキング