AI検討解説Part1 AI流の三々入りを紹介!【初~中級者向け】
こんにちは!ひかるです。
今回のテーマは、AIといえばこれ!という代表的な打ち方である
「星に対してすぐ三々入り」
についてお話ししたいと思います。
今回の記事を読むうえで知っておきたい用語
【三々】四つの隅それぞれにある特定の三線の場所の名前
※以下リンクに三々の場所を明記しています
※このコーナーで用いている評価値や解説についての注意点を以下の記事にまとめています。本記事をご覧になる前に一度目を通してください
目次
檀嘯九段 対 柯潔九段
こちらが今回取り上げる棋譜の総譜です。
黒 檀嘯 九段
白 柯潔 九段
152手 白番中押し勝ち
黒番から見た評価値の推移
縦軸=勝率
横軸=その局面の着手数
現代の最先端!AI流を代表する三々入り
それでは見ていきましょう。
ほとんど石もない序盤ですが5手目に三々に入りました!
AI出現以前は主にAのカカリやBの三連星などが流行していましたが、近年ではこの三々入りも非常に多く採用されています。
今までの相場とすぐに三々入りが打たれなかった理由
以前はこのような三々入り後の代表的な進行としては
以下のように進むくらいだと考えられていました。
これは基本定石として非常によく扱われる代表的な定石でもありました。
しかし、まだ石数も少ないうちにすぐ打つと
以下のように黒が隅で稼いだ地よりも白の厚みによる働きが勝るだろうと考えられてきました。
そのため広い場所に石を打ち、広く構えようという考えが主流でした。
AIは必ず即三々に入るというわけではないですが、実際非常に多くの対局で用いて結果を出しているので有力視されているということですね。
三々入りの連続!今では珍しくない展開!?
実戦図にもどります。
先程の黒からの三々入りに続き左上は白から三々に打ちました!
そして局面が進み、今度は右下ですが…
なんとここでも右下の三々に入りました!!
両者の気合い(?)が伝わってきそうです。
AI出現以前ではまず見かけない光景でしたが、最近は多くのプレイヤーがこぞって採用しているので今では珍しくありません
三々入りは一般的なカカリより有力?
しかし以下の図のように
一般的なカカリを打ったら評価値がどうなるの?
という疑問が湧いてきました。
というわけでAIで探索してみたところ
AIの示した図は以下のようになりました。
※Aが実戦、BがAIの示した図
実戦図は黒の勝率40.6%に対してAIはカカリを示し41.8%。
差は0.6%…ほとんど誤差ですかね(笑)
※使っているAIの検討機能はほとんど瞬時に結果を出しているため、何時間もかけて何十万~何百万回と探索をしているわけではありません。そのため極わずかな差は誤差として捉えても問題ありません
このように三々入りとカカリは局面にもよりますがそこまで大きな差はないようです。
基本的には自分にとって扱いやすい打ち方を採用してみると良いと思います
簡明に打つ作戦も大事な選択肢!
また途中、以下のようにツケを打っていますが、これもAIが状況に応じて星に対して用いる着手の一つです。
このような打ち方は級位の方には中々大変な変化を含む場合が多いので、ここでは簡明に打つことを紹介してみたいと思います。
右辺を簡明に打つなら以下のBのような流れが予想されます。
比較的よくある簡明な展開で、これも有力な候補の一つです。
囲碁は色々な手が考えられることが魅力の一つでもあるので、色々な知識を得て自分の方針に合う着手を探してみてください!
囲碁AIの研究がみなさんの参考になることを願っています。
※この記事は日本棋院所属棋士の河合将史五段の監修のもと制作しています。
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