囲碁の心構えを学べる十箇条「囲碁十訣」を紹介!【前編】
こんにちは!ひかるです。
今回は囲碁の心構えを表した
「囲碁十訣(いごじっけつ)」
について紹介します!
どれも大切な考え方であり、これらを意識する習慣をつけるだけでかなり合理的な囲碁の考え方を身に着けることが出来ると思います。
それでは見ていきましょう!
目次
囲碁十訣から囲碁の心構えを知ることが出来る
囲碁十訣は中国より伝わる囲碁の心構えを説いたもので、唐代の名手である王積薪が作ったとされています。
そして以下がその囲碁十訣になります。
囲碁十訣
- 不得貪勝(貪って勝とうとしてはいけない)
- 入界宜緩(敵の勢力圏では緩やかに打とう)
- 攻彼顧我(攻める時には自分を顧みよう)
- 棄子争先(石を捨てて先手を取ろう)
- 捨小就大(小を捨て大を取ろう)
- 逢危須棄(危険になれば捨てよう)
- 慎勿軽速(足早になりすぎるのは慎もう)
- 動須相応(敵の動きに応じよう)
- 彼強自保(敵が強ければ自らを安全にしよう)
- 勢孤取和(孤立している時には穏やかにしよう)
今回の前編では1~5の紹介をしていきます!
不得貪勝(貪って勝とうとしてはいけない)
これは囲碁の特性によるものです。
囲碁は100目勝っても半目勝っても勝ちなので、優勢~勝勢のときにさらに得しようと頑張りすぎてはいけないということ。
これは「もっと勝とう!得しよう!」とすることで攻めすぎて反撃されるリスクを負うのは合理的ではないからです。
大きく勝っていれば多少損をしても手堅く打ち進めれば勝てるので、勝負が紛れないようにすすめることは有力だと言えるでしょう。
入界宜緩(敵の勢力圏では緩やかに打とう)
囲碁の主な要素は戦いであり、戦いにおいて重視することは石の強弱です。
石の強弱とは互いの石の強さ弱さを判断し、攻めるべきか守るべきか、あるいはほかへ移るべきか方針を定めるための大切な要素になります。
※石の強弱についてはとても重要なので今後記事で詳しく取り上げる予定です
そして相手の石が比較的強く、たくさん打ってある場所は相手の勢力圏と言えます。
そのような場所に打つ場合はあまり深入りするのではなく緩やかに打つことが好ましいという考え方です。
例えばこのような図で白番だとします。
下辺黒模様は黒の勢力圏と言えるでしょう。
さてここで白はどのあたりに入るべきか?というものでA~Dの選択肢を用意してみました。
ここで入界宜緩を用いるならAやBあたりに打ち、あまり深入りしない方針を取ると良いでしょう。
浅く入ることで黒としても強烈に攻めることはできませんから、一方的な展開になりにくいというメリットがあります。
もちろん、自信のある方はCやDと深く入り込んで荒らすのもありだと思います!
ただし失敗したときのリスクも相応なのでお忘れなく(笑)
攻彼顧我(攻める時には自分を顧みよう)
これは自分の足元をよく見よう!という考え方です。
特に相手の石を攻めるチャンス!と思ったときが一番注意が必要なところです。
目の前に美味しそうなものがあったら食べたくなるのは動物の本能ともいえる部分ですが、だからこそ不注意になりがちです。
取ろう取ろうは取られのもとなんて言葉もあるくらいです。
攻めるときこそ
自分の石が切断されないか?
反撃されたら立場が逆転しないか?
と気を配ることで、反撃をさせない隙のない攻めを行うことが出来るようになります。
いつも強引に攻めすぎて反撃されてごちゃごちゃしてしまう…
という方は、心構えをして慎重に攻めるだけでもかなり良くなってきますよ!
棄子争先(石を捨てて先手を取ろう)
これは中々石を捨てられない人にとって重要な心構えです!
子は「し」と呼んで碁石のことを表します。
少数の石に執着せず、先手を取って要点を占める大局観を持つことが大切という考え方です。
以下の図を見て考えてみましょう。
現在黒番です。
盤面で唯一白に取られてしまいそうな黒石△があります。
次に白にAに打たれてしまうと黒は取られてしまいますね。
では守ってみましょう。
このようになりました。
うーん、右下の黒2子は助かりましたが白2と打たれて右辺が割られてしまいました。
いまいちパッとしない展開に感じるので次の図と比べてみましょう!
今度は逆に黒1と先ほど白に打たれた場所に先着してみます。
そして白は先ほど黒が打った場所に打ち2子を取ります。
こうしてみると右辺がかなり黒っぽくなってきましたね!
黒石が大きく構えているということは白が入りにくくなったということ。
スケールで考えると2子を守るよりよっぽど大きい場所に先着できたことがわかります。
そのため守る価値の低い石にこだわらずほかの大きな場所へ行こう!
ということを表しています。
捨小就大(小を捨て大を取ろう)
例えばある局面で二つの候補があったとします。
このとき大事なことは、全体を考えたときにどちらがより大きな価値があるかを比べることです。
比べたことにより小さいほうを捨て、大きいほうへ打てという大局観が大切だという意味しています。
級位の方の実践例を挙げて見てみましょう。
白が1と打ったところです。
白1と打たずとも右下はもうすでに双方の石が地を取り合う形をしていて、ひと段落しています。
ここで目を向けて欲しいのはそのほかの場所がたくさん空いているということ。
白1はかなり隅の方まで打ち、白地が増えています。右下に関しては一つの打ち方と言えますね。
しかし全体を見てみるとAやBなどに打った方がより広い場所へ向かっている分、今後の可能性拡大に期待できそうです。
このように小さい所にこだわるのではなく、常に全体をみてどこが大きいかを判断することが重要という考え方なのです。
これは先ほどの棄子争先(石を捨てて先手を取れ)と似ていますね。
僕は棄子争先は石に執着しないこと、捨小就大は常に全体を見て判断すべし、と考えています。
結果として同じところに行きつきそうですが(笑)
後半へ続きます!
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