たかが30分、されど30分/Sakayaエピソード2
こんにちはSakayaです。
今回も引き続き院生時代の話です。
30分
エピソード1でも書いた通り、院生研修は土日開催で9時半から17時半行われる。
大体皆9時頃来て、仲間と話をするのが定石である。
私ももれなく楽しく会話をしていた。
しかし、のちにプロとなるK君は下のクラスの頃から違った。
1人黙々と棋譜並べを9時から9時半の30分間行っていたのである。眼差しは鋭く、貪欲に知識を吸収している。
配慮を知らない子供の私はよくK君に話しかけていた。
「誰と誰の対局?」
「この碁どこが要点なの?」
「最近〇〇が〇〇したらしいよ」
迷惑なヤツである。
(K君ごめんなさい)
たかが「30分」、されど「30分」。
ここが運命の分かれ道だと今になって思うのである。
黒歴史
人間誰でも1つや2つ頭を抱えたくなるような歴史があるだろう。
人はそれを「黒歴史」という。
私が小学6年生で院生になったばかりの頃、棋力は碁会所五段程度であった。
そして、何故か難しい本を読んでいることがカッコいいと考えていた。
告白しよう。
私は小学校の授業中、発揚論(はつようろん)を読むという暴挙に出ていたのである。
(発揚論:難解なことで知られる詰碁や手筋をまとめた古典的名著)
1ミリもわからない訳ではないが、明らかにキャパオーバーである。
血眼になりながら発揚論を読み、そしてそれを
カッコいいと強く思っていたのである。
小学校の生徒の誰が発揚論の難しさをわかるのだろうか。
そう、これこそ「黒歴史」である。
囲碁が強くなりたい方は自分のレベルにあった本を強くお勧めする次第である。
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(執筆:Sakaya)
(編集:ひかる)