囲碁のルール解説:中編 【打ってはいけない場所】
今回はルール解説中編です!
まずはルール全体をおさらいしてみます。
- 黒白順番に線の交点に石を打つ(←前編の記事)
- 相手の石を取る、自分の石を取られる、という事がある(←前編の記事)
- 打ってはいけない場所がある(←この記事で扱う)
- 最後に地が多い方が勝ち(←後編の記事)
今回は3の解説ですね!
3の一部にコウという形の解説がありますが、2で解説した「石を取る」という事を含むルール解説になっています。
その為まだ前編を読んでいない方はまずそちらを読んでみてください!
ではルール解説の続きを見ていきましょう!
打ってはいけない場所がある(コウを含む)
囲碁は基本的にはどの交点に打っても構わないのですが、
ある条件下では打ってはいけない場所が発生します。
着手禁止点(打ってはいけない場所)について
以下の図を見てください。
白石が四つあり、真ん中に穴が開いています。
今黒番だとして、この穴の中に黒が打ちたいと思ったとしましょう。
このように、ですね。
しかしよく見てください。
この黒、前編で解説した呼吸点が空いていませんね…。
白に周りを全て囲まれてしまっていて、取られている形になってしまいました。
実は囲碁、自分で自分の石が取られている形に打つ事は出来ません。
この打ってはいけない場所(×印)の事を着手禁止点と言います。
※白から×に打つ場合は取られている形ではないので打つ事が出来ます。
石の形が変わってもそのルールは適用されます。
以下にいろいろな例を挙げてみました。
まずは隅や辺についてです。
これらの形も黒から白の中に打つと取られてしまう形なので、
打つ事が出来ません。
少し間違えやすい形も確認していきましょう。
6つの白石が同じ形で左右に並んでいますね。
まず右側から見ていきましょう。
右側には黒石が一つ配置されています。
この状態でさらに×のところに黒石を打つと…
こうなります。
これは黒の呼吸点が空いていない為白に取られている形です。
つまり黒から打ってはいけない着手禁止点になります。
もう一度先程の形です。
今度は左の形を見てみましょう。
○印の場所に黒が打つと…
このようになりますね。
この黒をよーく見てみましょう。
黒石の下(赤い○の場所)は空いていますね。
このように一見大きく白に囲まれているように見えても、呼吸点が空いているなら打つ事が出来ます。
コウというルールがある
囲碁を深く面白くしている理由の一つがコウというルールです。
(個人的な感想ですが笑)
コウは石を取るルールの唯一の欠点を補うものでもあります。
少しややこしく感じるかもしれないので、ゆっくり読んでみてください。
まず以下の図を見てみましょう。
黒と白の石がそれぞれ斜めに並んでいますね。
前述した着手禁止点の話では黒は白の中には打つ事が出来ない形です。
しかし…もし打った場合は以下の図のような形になります。
これは黒石が白に取られている形ですが、なんと白石も黒に取られた形をしています!
ここは少しややこしいところですがこういう形の時は、
着手した側(今回は黒)が相手の石を取ることができる
というルールになります。
つまり呼吸点が空いていなくても、相手の石を取れる場合なら打つ事が出来るのです。
白を取った後は以下のような形になります。
実はここから本格的にコウのお話になります。
盤面は先ほどの続きです。
今黒が着手したところなので次は白番ですね。
お察しいただいた方もいるかもしれませんが、今度は白から黒石を取れそうな場所がありますね。
白としては直ぐに石を取り返してしまいたくなるのですが…
もしそれが可能なら以下の様に最初の図にもどってしまいます。
このように黒白両方が永遠に互いの一子を取り続けてしまうとゲームが終わりません!
そこでコウというルールがあります。
実は一子を取り合える形になった時
一度石を取った後、次の手番の人は直前に相手が打った石を取り返せないというルールになっています。
詳しく見ていきましょう!
今黒が白石を取った場面です。
次は白番ですが先程の決まりごとによって…
白は直ぐに石を取り返すことができません。
ここで白は他へ打つ事になります。
この時、例えば以下の図のように白が1と打ったとしましょう。
石の番号=着手した順番
次に黒が2と打ちました。
すると次は白は3と打ち、先ほどのコウの場所を取り返すことができます。
直ぐには駄目でも次はOKというのがポイントですね。
そして次は黒番ですが、コウの形は直ぐには取り返せませんからまた他へ打ち、
その後取り返すことができます。
ちなみに先程の黒2の時に黒は以下の様にコウの形を塞いで守ることができます。
これならもう取られる心配はありませんね。
※守ればそれが必ず良い手になるという事ではありません。盤面次第です。
※ちなみに余談ですが、コウとは未来永劫の劫からきた言葉らしいです。
これでコウの基本的な解説は終了です。
はじめは少しややこしく感じるかもしれません。
また、読み直してみても自信をもって理解できないという方もいるかもしれません。
(比較的、大人の入門者さんはコウで苦戦される方が多い気がしています)
そんな時は慌てないでください。
解説はあくまでも座学ですが、囲碁は対局を経験して理解していくことも(特に最初は)非常に多いのです。
やっているうちに段々わかってくるだろう位に捉えていただいて、次のステップに進んでいただいた方がむしろスムーズかもしれません(笑)
というわけで今回はここまで~
後編に続きます!
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