終局の申請はどうやる?トラブルにならない方法を紹介!

こんにちは!ひかるです。

今回は終局の申請をする方法について紹介させていただきます。
実は申請方法には少し複雑な事情がありまして、その点も含め順を追ってゆっくり解説させていただきますね!

対局をする時、主に実際に会ってする対局(リアル対局)とネット碁を介してする対局の二種類があると思います。
ネット碁であれば「終局要請ボタン」やそれと同意義なものが配置されていることが多く、そのボタン一つで終局の同意を求めることができます。
相手が同意すれば終局だし、しなければ対局は続行されるという事です。

しかしリアル対局だとボタンはありませんので、相手の方になにかしらの方法で終局に同意するか否か返事を聞く必要があります。
その為リアル対局する時に覚えておきたい二つのやり方を紹介させていただきます!

【やり方1】直接言葉にして尋ねる

これは一番多くの方が使っていると思われるやり方で日本棋院(サイト)でも紹介されています。
そのやり方をAさんとBさんに登場していただき説明します。

 

ある時のAさんとBさんの対局中、Aさんの手番(打つ番)です。
ここで終局を迎えたと思ったAさんが

「おわりましたね」

と声に出し、Bさんが

「おわりですね」

と同意する。そして終局する、というものです。
※基本的に同意を求めるのは手番の方です。
※一語一句同じでなくても大丈夫です。お相手に終局の確認だと伝わればOK。

もしここでBさんが

「いや、まだ終わっていません」

などと告げれば対局は続行することになります。
またこの時あらかじめ取り決めがなければ、手番はそのままAさんである事が多いです。

 

言葉にして尋ねるやり方まとめ

  1. 終局だと思ったら「おわりですね」など言葉にして同意を求める
  2. 相手から同意を得たら終局、得られなかったらそのまま続行

 

もしかしたらここでお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。
実はこのやり方には少しだけ不公平な欠点があるんです!

具体的な例をお見せしましょう。

とある9路盤の対局風景
黒番はAさん、白番はBさんです。手番は黒のAさんです。

一見すると境界線がはっきりと決まっていてもう終局のように見えます。

先に地合いを見ておきましょう。
黒■の黒地は33目、白□の白地はコミを含め30目半で黒2.5目勝の状態です。

ここでAさんがもう終局だと思い

「おわりましたね」

と声に出して尋ねました。
ここでBさんが同意すれば終局になります。
しかしBさんは黒地に対し、ある狙いがある事に気づいていました。

それは白から1と打ち、下辺の黒二子を狙おうというものです。

これは黒二子が逃げようと思って2と打っても…

白3と打って逃げた分の石もまとめて取ることができるのです!
こうなるともう地合いは滅茶苦茶です。

ざっくりとこのような感じでしょうか。
右下の地が不透明なのは下辺で白が黒の境界線に欠陥を見つけて咎め、ぽっかりと穴をあけた効果ですね。
終局させるには右下に境界線を作り直さなければなりません。

これは白大きく逆転しています!

しかしこの手を発見できていないAさんは終わりましたねとBさんに尋ねてしまいました。
Bさんは黒石の欠陥を見つけているので

「まだ終わっていません」

と告げました。

するとあることが起こります。
Aさんは「まだ何か狙いがある場所が残っているんだ」と気づくのです。
手番はそのままAさんですから、Aさん自身の実力では見落としていた欠陥に気づいて手入れしてしまうかもしれない状態になったのです。

Bさんは相手に気づかれて守られてしまうと僅かに負けてしまいます。
もし皆さんがBさんの立場だったらこう思いませんか?

助言した格好になってしまった

と。
最初にこれを知った時、僕の場合はそう感じました。
実はこれ対局時のトラブル(あるいは不満が残る)としてはかなり多いケースです。
碁が上手くなればなるほど見落としは減るのでトラブルも起きませんが、例えば初級者同士の対局ではどうしても起こりやすいのです。

繊細な部分ですが、これを回避するのが次に紹介する方法です。

【やり方2】パス(手番の譲渡)を宣言する

これは僕がオススメのやり方です。
僕が行っている入門指導ではどちらの方法もある事を伝えつつこちらの方法を採用しています。
またこれは日本棋院主催のアマの大会でも用いられるやり方です。(開会式で説明がされています)

先ほどと同じようにAさんとBさんの対局中、Aさんの手番だとしましょう。
ここで終局を迎えたと思ったAさんが

「パス」

と宣言します。
これはAさんがもう打つところはありません、と意思表示をしつつ手番を相手に譲るという事になります。
つまり次の手番はBさんです。
B
さんも同じく打つところが無いと考えていれば

「パス」

と言います。
このように二回連続でパスが続けば終局となります。

またもし打つところがまだあると思えば、Aさんは手番を譲っているのでBさんが打つ事が出来ます。
こうすることによって先程例に挙げたのようなケースのトラブルを回避することができるようになっています。

 

 

パスを宣言するやり方まとめ

  1. 終局だと思ったら「パス」と宣言して手番を譲る
  2. 相手も「パス」すれば終局、そうでなければ相手の手番で再開

※「パス→パス」と自分と相手のパスが合わせて二回連続で続けば終局
「パス→着手→パス」や
「パス→着手→着手→パス」
は終局ではない。

最後に

二つの方法を紹介させていただきました。

個人的には後者の「パス」の方法をオススメしていますし全国に浸透して統一してもいいんじゃないかと思っています。

しかし実際は言葉で尋ねる前者の方法を取る方が多いです。(決してダメというわけでは無いのですが)
大会でも主催者側からパスをしましょうと説明はあっても、言葉で尋ねる方法に慣れているせいかパスを用いない方はいます。

そのためこの記事を読んでくれている方に最後にお伝えしたいのは、
どちらの方法も存在する事を把握していただき、仮に先程のようなトラブルになった時は無理にお相手にどちらかの方法を押し付けることなく、
話し合うなどしてお互いを尊重しあう形で終局してほしいという事です。

なんだか最後は堅苦しくなってしまいましたが、平和的に楽しめるのが一番ですね!

 

今回はここまで~

 

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終局の申請はどうやる?トラブルにならない方法を紹介!” に対して2件のコメントがあります。

  1. じーん より:

    >「いや、まだ終わっていません」
    >などと告げれば対局は続行することになります。
    >またこの時あらかじめ取り決めがなければ、手番はそのままAさんである事が多いです。
    ここでBさんの手番になる取り決めがいいんじゃないかなぁと思いますね

    そういう取り決めがなかった場合、時と場合によりますが、もし自分がBであれば、
    「パスということですか?では行かせて頂きます」
    と言って問答無用で打ちますかねw

    1. hikarugo より:

      コメントありがとうございます!

      終局で起こりうるトラブルには「事前の取り決め」が必要ですね。
      「パス」だけでなく、じーんさんのお話にあるように事前に決めておければ、
      どちらかが妥協したりもめ事にもなりませんから、そういう配慮がある形で行われるのが好ましいと思います。

      そういった配慮を今すぐ碁打ち全員に求めるのは現実的ではないかもしれませんが、
      徐々に浸透していってほしい考え方だと思います!

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