10歳でプロ入り!英才特別採用と仲邑菫さんについて
こんにちは!ひかるです。
先日、プロ棋士の採用に新たに加わった新制度
「英才特別採用推薦棋士制度」
そして新制度により2019年4月にプロ入り(入段)を予定している
仲邑菫(なかむら すみれ)さん
についてお話していきたいと思います!
目次
英才特別採用推薦棋士制度とは
英才特別採用推薦棋士制度(以下、英才特別採用)とは
今年新たに設けられた制度です。
それでは制度について詳しく見てみましょう!
英才特別採用の趣旨は?
詳しくはこのような趣旨になっています。
<趣旨>
棋道の継承発展、内外への普及振興を目的とし、囲碁世界戦の優勝を目指すなど、最高レベルの棋士となるべく、英才特別採用推薦棋士制度を新設した。(引用:日本棋院HP)
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簡単に言うと
棋院が主体となり英才教育に取り組み、世界で戦える棋士を育てることで
囲碁文化の普及・発展に取り組むというかんじですね。
英才特別採用の基準や採用条件は?
採用基準についてはこのようになっています。
<採用基準>
候補者の実績と将来性を評価し、日本棋院の現役7大タイトル保持者および、ナショナルチーム監督とコーチ3分の2以上の賛成により、審査会及び常務理事会を経て決定する。
尚、日本棋院の棋士2名以上の推薦があるものを候補者とする。<採用年齢>
原則として小学生とする。(引用:日本棋院HP)
日本には七大タイトルという七つのタイトル戦があり、
それぞれ賞金が高い順に
棋聖戦(優勝賞金4500万円)
名人戦(3100万円)
本因坊戦(3000万円)
王座戦(1400万円)
天元戦(1300万円)
碁聖戦(800万円)
十段戦(700万円)
があります。
(凄い額ですね…。)
それらのタイトルホルダー(優勝者)と
ナショナルチームという
プロ棋士の棋力強化と成績向上を目指すチームの監督・コーチ達から
多くの賛成を得ることで審査、決定するようです。
![](https://i0.wp.com/hikarugo.com/wp-content/uploads/2019/03/ひかる 会話用-驚き.png?resize=300%2C300&ssl=1)
タイトルホルダーはもちろん、
監督・コーチを務めるプロ棋士も活躍をされてきた棋士の方々ですから
その人たちから賛成を得る必要があるとは
凄く厳しそうな条件ですね…。
また、原則として小学生が対象なので
相当早い段階から碁の勉強に取り組む必要があります。
日本棋院にはもともと
プロを目指す子供たちを育てる
「院生制度」
というものがありますが、
中でも特にトップのクラスの子供たちは
プロに近い実力を持っています。
その子たちと比べても見劣りしない、
あるいは負けないだけの実力・将来性を持っていないと
英才特別採用での採用はむずかしいと思われます。
仲邑菫さんについて
上記のような厳しい採用条件の中、
英才特別採用の一人目になったのが仲邑菫さんです!
しかもなんと10歳でのプロ入段です!
(引用:日本棋院HP)
囲碁のプロの世界では子供の頃からプロになることは
珍しいことではないのです。
しかしそれまでの史上最年少棋士の記録は
藤沢里菜四段の11歳6か月でしたが、
それをさらに上回る速さの入段となりました。
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10歳といえば小学四年生ですよね…。
10歳当時の僕は下手なりにサッカーボールを追いかける少年でした(笑)
仲邑菫さんの実力は?
仲邑さんは4月1日に入段予定で
3月現在はまだプロではないのですが、
かなり大物の棋士達と記念対局が行われています。
(その中には先程の七大タイトル保持者の井山裕太5冠や張栩名人も)
そこから見えてくる仲邑さんの実力を
初心者の方にもわかりやすいポイントをピックアップして
いくつかの棋譜を紹介していきます!
崔精九段との対局
まず今年の一月にソウルで行われた対局を紹介します。
女流世界トップの韓国の棋士、崔精(チェ・ジョン)九段と
定先(コミをつけない)というわずかなハンデで対局しました。
その中で仲邑さんの強さと意気込みを感じた場面を紹介します!
黒:仲邑菫さん
白:崔精九段
場面は中盤戦です。
序盤の右上の進行から少し黒が出遅れてしまい、
白が有利な場面です。
白が1と打ったときです。
おそらく棋力が初級~4段くらいまでの方のほとんどは
次はⒶに打つと思います。
それはそれで右下をしっかり守った手なのですが、
仲邑さんが打った手は以下のようにより厳しいものでした!
白1には受けることなく黒2と反撃!
そのあとは以下ようになり、
白△の一団をまるごと攻めるぞ!
という流れになりました。
超一流のプロを相手に反撃を見せた仲邑さんの場面でした。
ただしこのあとは流石の崔九段。
上手く白△を中央へ脱出させました。
結果として黒は負けてしまいましたが、
崔九段は対局後に
「今日は緊張して実力を出し切れなかったのでは。潜在力はあると思うので頑張ってほしい」とエールを送った。
(引用:日本経済新聞)
と仲邑さんの今後に期待するコメントをしていました。
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韓国で修業した仲邑さんの来韓に韓国メディアも注目し
「天才少女」の別名を持つという紹介もあったとか!
黒嘉嘉七段との対局
続いて紹介するのは2月に行われた
黒嘉嘉(ヘイ・ジャージャー)七段との対局です。
黒嘉嘉七段は台湾のトップモデルとしても活躍していて
日本での人気もかなり高いです!
モデルの活動がよく話題になりますが
碁もとても強く
入段した翌年には様々な棋戦で活躍した結果、
特例で五段に昇段した経歴を持っています。
そんな黒嘉嘉七段との対局ですが、
こちらも定先で仲邑さんが黒番を持ちました。
僕が選ぶ見どころはこちらです!
黒:仲邑菫さん
白:黒嘉嘉七段
黒が1と打った場面です。
黒△の4子がそのまま白に飲み込まれると
黒としては非常につらいので脱出を図っています。
対して黒七段も厳しく対応しています。
このあたり、僕は黒が少し苦しそうだと考えていました。
しかし複雑な戦いを経てみると…
黒が白の包囲網を突破しました!
(×印の白石はこのままで黒が取った状態です)
このようになってみると
形勢は少し黒がよく見えてきます。
黒七段相手にこれだけの展開を見せてくれるなんて凄い!
繰り返しになりますが仲邑さんは10歳(対局当時は9歳)です!
囲碁は老若男女問わず対戦できるゲームと言われていますが、
勝負の世界に身を置くプロを相手に互角以上の展開はやはり凄いと思いました。
どのような環境で碁を学んだのか?
強い人がいると気になるのはやっぱり
「なにをどうしたらそんなに上達したの?」
という点でしょうか?
僕はとても気になりましたので紹介します!
仲邑さんのご両親は
プロ棋士の仲邑信也九段と
元囲碁インストラクターの仲邑幸さん
二人とも囲碁を仕事にされている方だったんですね。
また7歳からの2年間、囲碁がハイレベルな韓国へ渡り
韓国棋院の研究生(日本でいう院生)として碁を学んでいました。
韓国の碁の強さは中国と並んでトップレベルですから
非常にハイレベルな環境の中での修業期間だったのでしょう。
![](https://i0.wp.com/hikarugo.com/wp-content/uploads/2019/03/ひかる 会話用-驚き.png?resize=300%2C300&ssl=1)
ちなみに韓国語もペラペラだとか!
僕は韓国語以前に英語が大の苦手です(泣)
もしお子様がいる親御さんが、
子供に囲碁を習わせるにはどうしたら良いんだろう?
とお考えであれば是非こちらの記事をご覧ください。
韓国に行くのはむずかしくても囲碁の勉強はできます!
さいごに
仲邑菫さんがプロに入段するのは
2019年4月1日です。
これからもっとプロの中で磨かれて
どんどん強くなっていくんだろうな~
と予想しています!
これから英才特別採用でどんな子供たちが出てくるのか、
また仲邑菫さんがこれからどんな活躍を見せてくれるか大注目ですね!
今回はここまで~
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